父の携帯電話(ガラケー)に特殊詐欺のSMS(ショート・メッセージ・サービス)が届いたらしく、相談を受けました。
SMSとはメールのように文字を送信できるサービスのことで、メールアドレスを持っていなくても携帯電話の番号さえあれば文章を送受信できます。
絵文字や長文が送れないという欠点がありますが、LINEやメールとほぼ同じように利用できます。
怪しいSMSは要注意
父に届いたのはこちらのメッセージ。
「未納料金」「法的手段」という文言があるので、初めて見た人は父のようにビックリするかもしれません。
でもこれ、どうやら振り込め詐欺とかオレオレ詐欺と同じ、いわゆる「特殊詐欺」と呼ばれるものだったみたいです。
なぜ特殊詐欺だと断定したのか?
以下、特殊詐欺と断定した方法と詐欺被害に遭わないための対策方法について書いておいたのでご参考に。
「電話帳ナビ」で電話番号を検索すると特殊詐欺の番号だった
現代はインターネットで調べ物をすると、たいていのことがわかります。電話番号もその1つ。
SMSを送信してきた相手先の番号をネットで直接検索してもいいですが、今回は「電話帳ナビ」というサイトを利用しました。
電話帳ナビは特殊詐欺などの犯罪に使われている電話番号や、電話勧誘をしてくる迷惑な電話番号などを登録していくサイトです。
不正確な情報や真偽不明の情報もありますが、意外と参考になります。こちらで電話番号を検索します。
「相手先の電話番号」と「連絡先に指定されている電話番号」を検索すると、「注意が必要な電話【犯罪系】」「架空請求【注意】」の文字が…。
口コミ情報も見れるのですが、他の人たちにも同じ時期に、同じような内容のメッセージを送られているようです。
あ、あやしい…。
最新の特殊詐欺の手口はSMSでメッセージを送る
あ、もしもし?オレだけど、おじいちゃん?実はオレ、会社の大事な契約書が入ったカバンを電車の網棚に置き忘れちゃって…(涙声)。
オレのせいで会社に2000万円の損害が出ちゃったらしくて弁償しないといけなくなっちゃった。「とりあえず200万円だけ用意してくれたらなんとかする。」って上司が言ってくれてるんだけど、オレ、200万円も持ってなくて…。
オレ、どうしたらいいんだろ…(鼻をすする)。
頼れるのはおじいちゃんだけなんだけど、助けてくれないかな。
100万円はオレの貯金でなんとかするけど、あと100万円がどーしても足りないんだ。ねえ、おじいちゃん。100万円でいいから助けてよ。
↑ ↑ ↑
詐欺師たちも昔はこんな電話を1件1件かけていたのですが、最近は電話ではなく先ほどのようなSMSを使って”カモ”を確保するのが主流のようです。
むかしはカモを相手に1件1件涙声の演技をしながら電話をかけていましたが、これでは効率が悪すぎます。
1件電話するたびに何分も時間を消費しますからね。
それに最近では特殊詐欺対策として、犯罪に使われた経歴のある電話番号から電話がかかってくると、自動で録音されたりそもそも電話がつながらないように予め設定されている防犯電話(固定電話)が登場しています。
犯罪者にとってカモを捕まえにくくなっているということです。
ところがSMSならランダムに生成した電話番号に対して、「一度に」「大量に」メッセージを送信することができます。
また、「これは詐欺だ。」と気付いた人は詐欺師が送信したメッセージに記載してある電話番号には電話してきません。
しかしカモは電話してきます。
カモだけを効率よく選別できるということです。
今回のように、電話やメールだけでなくSMSにも架空請求や詐欺のメッセージが届くことがあります。
Amazon、楽天、ヤフーなど「誰もが知っている企業名」を使ってくるので注意が必要です。
あれ?もしかしたら使ってたかも。と思って電話してしまった場合、あなたは絶好の「カモ」になります。
詐欺師たちの「上客リスト」に登録されて、その後、何回も何回も手を変え品を変え、あなたを騙すための電話がかかってくることになります。
怪しい電話番号から電話やSMSが来たら、先ほどの「電話帳ナビ」を使って調べてみてください。
詐欺被害に遭わないためには?
電話番号を不特定多数の人に漏らさないことも大事ですが、特殊詐欺の被害に遭わないようにするためには、
- 誰かに相談する
- 落ち着いて、矛盾点を探す
などの自衛も必要です。
息子や孫を名乗る人や、その会社の上司と名乗る人、あるいは弁護士と名乗る人たちから電話がかかってきたら、本人や家族に相談しましょう。
相手の会社名などを聞くことができたら、会社名を自分でインターネット検索し、調べた電話番号にこちらから折り返し電話をかけることも大切です。
知っている会社名でも、電話の相手が「こちらに連絡してください。」と伝えてきた番号がウソかもしれませんから。
また、落ち着いてからよく考えてみると怪しい点が見つかることもあります。
父の例のようにSMSで連絡してきた場合であれば、
- 重要な用件なら電話してくるか文書を郵送してくるはずでは?(なぜSMSで連絡してきたのか?)
- SMSを送信してきた番号と、連絡先に指定された番号が違うのはなぜか?
など、よく見ると粗が目立ちます。
「未納料金」「法的手段をとる」などと言われると慌てがちですが、その場の雰囲気に飲まれるとロクなことがないので注意したいですね。
裁判所から出頭命令が来るまで待つ
架空請求のメールも電話も郵便物も基本的には無視して大丈夫ですが、裁判所から出頭命令の通知が来たときだけは注意が必要です。
身に覚えが無くても、未納にしている料金が本当に存在するかもしれないからです。
その場合は相手が法的手段に出て、裁判所から出頭命令が郵送で送られてきます。
出頭命令が郵送されてきた場合だけ対応しましょう。
裁判所から出頭命令が郵送されてきた時も、裁判所の連絡先は自分で調べてください。
出頭命令の文書自体が、詐欺師の作ったニセモノの可能性もあるので…。
まとめ
今回の話をまとめると、
- 電話やメールだけでなくSMS(ショートメール)も特殊詐欺のツールとして使われるようになった
- SMSを使うと効率よくカモ(詐欺のターゲット)を集めることができる
- 詐欺に遭わないためには落ち着いて相手の矛盾点を探す
- 信頼できる人や家族に相談する
- 裁判所からの出頭命令が来るまで怪しいものは全て無視する
ということになります。
詐欺の手口は年々複雑化かつ巧妙化しているので、「自分は大丈夫。」と思わない方がいいです。
高学歴の人や自分は頭がいいと過信している人ほど騙されやすいらしいので、過信しないようにしましょう。